業種別|運送業

運送業の省力化補助金ガイド|
トラックは対象?使える設備と補助額

結論:トラック運送業も省力化補助金の申請対象です。運輸業は資本金3億円以下または常勤従業員300人以下なら中小企業者に当たります。ただしトラックなどの車両本体は補助対象外です。対象になりうるのは、洗車・荷役・伝票処理など、営業所や車庫での作業を省力化する設備やシステムです。

SECTION 01

運送業でも使える?中小企業者の判定基準

一般型の第8回公募要領(2026年8月公表・9月18日改訂版)・カタログ注文型の公募要領(令和8年3月19日改定版)で確認

Q. トラック運送業は申請できますか?

申請できます。一般貨物自動車運送業・特定貨物自動車運送業・貨物軽自動車運送業などの道路貨物運送業は、公式の「業種」の定義で運輸業に分類されます。運輸業は資本金3億円以下「または」常勤従業員300人以下のどちらかを満たせば中小企業者に該当し、法人だけでなく個人事業主も対象です。

確認すること運輸業の基準何に影響するか
中小企業者に当たるか資本金3億円以下 または 常勤従業員300人以下申請できるかどうか
小規模企業者・小規模事業者か(一般型)常勤従業員20人以下一般型の補助率が1/2から2/3に上がる
従業員規模の区分常勤従業員数で決まる補助上限額(SECTION 04)

運輸業は、小規模企業者・小規模事業者の区分のうち「製造業その他(20人以下)」で判定するのが基本の読み方です(「卸売業・小売業・サービス業(5人以下)」には含まれません)。20人を超える場合、一般型で小規模事業者としての補助率2/3は適用されません(最低賃金引上げ特例の適用時は一般型でも2/3)。申請前に最新の公募要領でご確認ください。みなし大企業など規模以外の要件は対象者の要件をご覧ください。

ドライバーの人数の数え方に注意

従業員数は、補助上限額の区分にも小規模事業者の判定にも使われます。数えるのは常勤従業員(公募要領の定義:労働基準法第20条の解雇予告を必要とする者)で、日々雇い入れる人、2か月以内の期間を定めて雇う人、季節的業務で4か月以内の期間を定めて雇う人、試用期間中の人は含まれません。代表取締役や専従者も含めません。

繁忙期だけの短期ドライバーや試用期間中のドライバーは人数に入りません。雇用契約の内容で数え直してから区分を確認してください。常勤従業員に当たらない人を含めていたことが分かると、採択の取消等になることがあると公募要領に明記されています。

SECTION 02

トラック・車両は補助対象?

結論:車両本体は対象外

Q. トラックの購入費は補助されますか?

補助されません。一般型(第8回公募要領)の補助対象は耐用年数省令の「機械及び装置」「器具及び備品」「工具」「ソフトウェア」「電気通信施設利用権」で、「車両及び運搬具」は対象外です。カタログ注文型にも、トラックそのものの製品カテゴリはありません(製品カテゴリ 令和8年10月8日版で確認)。

×対象外

トラック・トレーラーなどの車両の購入、修理、車検の費用。

△区分の確認が必要

車両のような形の機器。耐用年数省令で「機械及び装置」に当たるものは対象で、登録番号の有無や公道を走るかどうかは判断要素にならないとされています(一般型FAQ・応募申請の手引き)。「公道を走らないから対象」とはならないため、資産区分を販売元に確認し、会計上の扱いは顧問税理士にご確認ください。

○対象になりうる

車両に関わる作業を省力化する設備。たとえば営業所や車庫に設置する自動車両洗浄機などです(SECTION 03)。

車両の導入については、国土交通省が別の補助事業を行っています。たとえば令和8年度「トラック輸送省エネ化推進事業」は、車両動態管理システムや予約受付システム等の輸送効率化システム、ダブル連結トラック、スワップボディコンテナ車両を対象として発表されています(国土交通省の報道発表、令和8年9月14日)。公募時期・要件は国土交通省の発表でご確認ください。

SECTION 03

運送業のどの業務が省力化の対象になりうるか

業務ごとに、カタログ注文型の該当カテゴリを整理

運送業の業務カタログ注文型
(対象業種に「運輸業」を含むカテゴリ)
車両の洗車自動車両洗浄機
荷役(積込み・荷下ろし・重量物の上げ下ろし)バランサ装置、パワーアシストスーツ、バッテリー式階段運搬台車
受領書・納品書など伝票の処理仕分検印機能付きシートリーダー
営業所・センター内のピッキング・仕分け・梱包ピッキングカートシステム、デジタルピッキングシステム(DPS)、シュリンクフィルム収縮装置
自社工場での車両整備エアコンシステム内自動洗浄装置、自動変速機フルード下抜き交換装置
点呼・配車・運行管理などの事務該当カテゴリなし(一般型で検討)

製品カテゴリ(令和8年10月8日版。登録製品数は2026年10月2日時点)で、対象業種に運輸業を含み、登録製品があるカテゴリを抜き出しています。物流用ドローン、パレットストレッチフィルム包装機など、運輸業を含むものの同時点で登録製品が0件のカテゴリもあります。カテゴリと製品は随時追加されるため、最新は公式の製品カタログでご確認ください。

「トラック」と名前が付いていても、運送業で使えるとは限らない

カタログ注文型には、導入する製品に設定された対象業種のうち1つ以上が、自社の営む事業の業種と合っていることという要件があります。たとえば「トラック積載容量計測システム」の対象業種は廃棄物処理業・建設業・製造業・倉庫業・卸売業で、運輸業は入っていません。無人フォークリフト(AGF)、パレタイズロボット、無人搬送車(AGV・AMR)、自動倉庫も、同時点では運輸業が対象業種に含まれていません。

一方で公式FAQでは、主たる業種が別でも、対象業種の事業を一部でも営んでいれば申請できるとされています。倉庫業も営む運送会社であれば、倉庫業の事業としてこれらの製品を検討できる場合があります。倉庫内の設備の例は小売・物流・製造のガイドと対象製品カタログ一覧をご覧ください。

一般型なら、業種の紐付けにしばられず計画できる

一般型には、カタログ注文型のような製品ごとの業種の指定はありません。自社の業務に合わせて設計した機械装置やシステム(オーダーメイド設備)を、事業計画で省力化効果を示して申請します。単価50万円(税抜)以上の機械装置等を1つ以上含むことが必須です。フォークリフトのような車両型の機器を一般型で計上する場合は、耐用年数省令上の区分(車両及び運搬具か、機械及び装置か)で対象かどうかが分かれるため、資産区分は販売元に、会計上の扱いは顧問税理士にご確認ください。点呼・配車・運行管理など、自社の業務に合わせて専用設計するソフトウェアは、単体でも申請できるとされています(一般型FAQ)。

SECTION 04

運送業はいくら補助される?補助率と上限額

上限は常勤従業員数で決まる(税抜で算定)

常勤従業員数一般型の上限
(大幅賃上げ特例)
カタログ注文型の上限
(賃上げ達成時)
5人以下750万円(特例1,000万円)500万円(賃上げ時750万円)
6〜20人1,500万円(特例2,000万円)750万円(賃上げ時1,000万円)
21〜50人3,000万円(特例4,000万円)1,000万円(賃上げ時1,500万円)
51〜100人5,000万円(特例6,500万円)1,000万円(賃上げ時1,500万円)
101人以上8,000万円(特例1億円)1,000万円(賃上げ時1,500万円)

括弧内は、一般型が大幅賃上げ特例の適用時、カタログ注文型が賃上げ達成時の上限です。補助率は、一般型が中小企業1/2(最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者が2/3です。カタログ注文型は1/2以下で、従業員規模や事業者区分による引上げはありません。一般型は第8回公募要領、カタログ注文型は令和8年3月19日改定の公募要領の数値です。

導入費用の目安を確認する

中小企業基盤整備機構の製品カテゴリ(令和8年10月8日版)では、自動車両洗浄機の価格と導入費用の目安が600万〜1,500万円(普通車用・大型車用・特殊車両用などモデルにより異なる)とされています(公式の製品カタログ)。上限に収まるかを先に確かめておきましょう。

計算方法の詳細

「対象経費×補助率(上限あり)」の考え方や賃上げ特例の条件は、補助額・補助率の解説にまとめています。一般型の概算はシミュレーターで試算できます。

SECTION 05

カタログ注文型と一般型、運送業にはどちらが向く?

項目カタログ注文型一般型
導入できるもの登録製品のみ業務に合わせて設計する設備・システム(オーダーメイド設備)
申請時期随時(受付は2027年3月末頃までの予定)公募回ごと(第8回の締切:2026年10月16日(金)17:00)
補助率1/2以下1/2(小規模事業者等は2/3)
申請の負担比較的簡素事業計画書で省力化の効果や投資回収期間を示し、審査を受ける

上限額はSECTION 04の表をご覧ください。カタログ注文型は、自社の業種が対象業種に入っている製品に限られます(SECTION 03)。最新の日程は公募スケジュールでご確認ください。

Aカタログ注文型が合うケース

自動車両洗浄機やパワーアシストスーツなど、運輸業が対象業種に入った登録製品を、そのまま1〜2点導入したい。急いで導入したい。

B一般型が合うケース

荷役から仕分けまでを複数の機器でつなぎたい。配車・点呼・伝票処理など自社の業務に合わせたシステムを作りたい。カタログの上限では足りない。運輸業が対象業種に入っていない設備を使いたい。

公式FAQでは、カタログに載っている製品は原則カタログ注文型で申請するとしつつ、周辺機器や機器の数・機能を導入環境に合わせて変える場合や、複数の設備を組み合わせてより高い効果を出す場合は一般型の対象になるとしています。

一般型の公募要領は、申請を考える前にカタログ注文型の製品カタログを確認するよう求めており、カタログ注文型のほうが申請が迅速かつ簡易だとしています。洗浄機の単体導入のようにカタログで完結する投資はカタログ注文型、業務に合わせたシステムやカタログの上限を超える投資は一般型、の順に検討します。一般型を選ぶ場合、加点項目には応募締切日までの手続きで満たせるものもあります(加点項目の解説)。迷う場合は2類型かんたん診断で目安を確認できます。

採択は審査によって決まり、申請すれば補助が受けられるとは限りません。各類型の詳細はカタログ注文型・一般型の解説をご覧ください。洗車機の対象業種・入替条件・価格の目安は自動車両洗浄機(洗車機)の解説にまとめています。

CHECK

運送業の申請で見落としやすい4つの点

① 実施場所を特定する

補助事業の実施場所は、設備を設置する場所、または格納・保管して主に管理する場所です。営業所や車庫など、応募時点で特定しておく必要があり、交付申請時には登記事項証明書や賃貸借契約書の提出を求められます。採択後の変更は原則認められません。

② 今ある設備の入れ替えに注意

一般型FAQでは、すでに導入している設備のリニューアルや改良の費用は対象外です。カタログ注文型でも、今ある製品の置き換えで省力化効果が得られない事業は対象外です。自動車両洗浄機は、「洗浄強化機能」「乾燥強化機能」「コーティング機能」のうち今の機種にない機能が、新しい機種で1つ以上加わる場合に限り、置き換えとして申請できます(公式:製品の置き換えについて)。同じ機能のままの単純な買い替えは対象になりません。

③ 汎用の端末は対象外

事務用のパソコン・タブレット・スマートフォンなど、目的外にも使える物は対象外です(その事業でしか使えないものは除く)。点呼や運行管理のために端末だけを買う計画は対象になりません。

④ 賃上げの目標を組み込む

一般型の第8回公募要領では、基本要件のうち賃上げに関するものは、1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上増やすことと、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金より30円以上高くすることです(基本要件にはほかに労働生産性の向上なども含まれます)。月給制などは時給に換算して判定します。詳しくは一般型の申請要件(よくある質問)へ。

中古品や、交付決定前に発注・契約・支払いをした費用は対象外です。対象になる経費の全体像は補助対象経費をご覧ください。

FAQ

よくある質問

従業員を雇っていない軽貨物の個人事業主でも申請できますか?
一般型は、応募時点で従業員が0名の事業者は申請できません。カタログ注文型は、常勤従業員がいない事業者も申請できますが、事業実態を確認する追加の審査があり、契約書など事業活動を示す証憑の提出が必要です。また、2回目以降の申請はできません。詳しくは個人事業主の活用と従業員0名の場合をご覧ください。
営業所が複数あります。実施場所はどう決めますか?
実施場所が複数になる計画も想定されています。事業計画では、実施場所のうち従業員数が最も多い場所が「主たる実施場所」になります。事業場内最低賃金は、実施場所が複数ある場合、そのうち最も低くなる事業場の賃金で見ます。どの営業所を含めるかで要件の達成しやすさが変わるため、計画段階で整理しておくことが大切です。
洗車機などをリースで導入しても補助を受けられますか?
一般型では、対象リース会社と共同申請するファイナンス・リースであれば、リース会社が支払う設備の購入費用が補助の対象になり、その分リース料が減額されます。オペレーティング・リースは対象外で、交付決定前のリース契約も対象外です。カタログ注文型にも賃貸借契約での導入のルールがあり、1年未満で解約すると交付決定の取消になるなどの条件があります。
国土交通省のトラック関連の補助金と併用できますか?
一般型の公募要領では、国の他の補助金と補助対象経費が重複する事業は対象外です。また同じ事業で複数の補助金に採択された場合は、1つを選んで交付申請する必要があります。経費を分けて使う場合も、両方の制度のルールを確認してから計画してください。
一般型の締切に間に合わない場合はどうすればよいですか?
カタログ注文型は随時申請で、受付は2027年3月末頃までの予定です。一般型の次回以降の日程は公募スケジュールでご確認ください。
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