食品工場のどの工程の設備が対象になりうるか
製品カテゴリ(令和8年10月8日版。登録製品数は2026年10月2日時点)で確認
| 食品工場の工程 | カタログ注文型の該当カテゴリ (括弧内は登録製品数) |
|---|---|
| 冷凍原料の解凍 | 解凍機(17件) |
| 下処理(カット・皮むき・骨取りなど) | 食品スライサ・カッタ(89件)、食品切断・分離・除去機(3件) |
| 生地・成形(分割・発酵・包あん) | パン等発酵生地の分割・まるめ機(16件)、ドゥコンディショナー(31件)、食品包覆機(20件) |
| 加熱・調理(煮る・焼く・揚げる・蒸す) | 食料品加熱撹拌機(10件)、コンベアオーブン(42件)、自動フライヤー(35件)、スチームコンベクションオーブン(193件) |
| 豆乳・豆腐の製造 | 小型豆乳プラント(4件) |
| 充填・定量吐出(ソース・クリーム等) | 飲食料品充填・吐出機(5件) |
| 冷却・冷凍 | 急速冷却/急速凍結機(62件) |
| 包装(袋とじ・シュリンク・ガス置換) | 食品自動袋とじ装置(2件)、シュリンクフィルム収縮装置(1件)、窒素ガス精製ユニット(14件) |
| 箱の組立て(製函) | 組立函自動製函機(6件) |
| パレットへの積付け・荷下ろし | パレタイズロボット(47件) |
| 異物の検査(X線) | インライン非破壊検査装置(内部不良検査)(11件) |
| 成分分析など品質管理の計測 | 自動分析計測機器(4件) |
| 調理器具・容器の洗浄 | 業務用自動食器類洗浄機(85件) |
| 計量、製品の箱詰め | 食品向けと読み取れ、登録製品があるカテゴリなし(一般型で検討) |
公式の製品カテゴリから、対象業種に製造業を含み、カテゴリの説明または登録製品の説明から食品の製造工程での使用が読み取れ、登録製品が1件以上あるものを抜き出しています。コンベアオーブン・自動フライヤー・スチームコンベクションオーブン・ドゥコンディショナー・解凍機・急速冷却/急速凍結機などは、主な想定が飲食店や小売業者ですが、対象業種に製造業を含みます。インライン非破壊検査装置は、カテゴリの説明に食品の記載はありませんが、登録製品の一部が製品詳細で食品向けのX線検査機と説明されています(2026年10月1日時点の製品カタログ)。
カテゴリと製品は随時追加されるため、最新は公式の製品カタログでご確認ください。
工場内の搬送・保管など、食品に限らないカテゴリ
無人搬送車(AGV・AMR)、自動倉庫、垂直搬送機、パワーアシストスーツ、清掃ロボットなども対象業種に製造業を含みます。公式の説明に食品向けの記載はありませんが、原料・製品の搬送や保管に検討できます。
倉庫まわりの設備は小売・物流・製造のガイド、パレタイズは協働ロボット・パレタイザーの解説、カテゴリの全体は対象製品カタログ一覧をご覧ください。
食品工場はいくら補助される?補助率と上限額
一般型の第8回公募要領(2026年8月公表・9月18日改訂版)・カタログ注文型の公募要領(令和8年3月19日改定版)で確認
| 常勤従業員数 | 一般型の上限 (大幅な賃上げを行う場合) | カタログ注文型の上限 (賃上げ達成時) |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円(特例1,000万円) | 500万円(賃上げ時750万円) |
| 6〜20人 | 1,500万円(特例2,000万円) | 750万円(賃上げ時1,000万円) |
| 21〜50人 | 3,000万円(特例4,000万円) | 1,000万円(賃上げ時1,500万円) |
| 51〜100人 | 5,000万円(特例6,500万円) | 1,000万円(賃上げ時1,500万円) |
| 101人以上 | 8,000万円(特例1億円) | 1,000万円(賃上げ時1,500万円) |
括弧内は、一般型が大幅な賃上げを行う場合、カタログ注文型が賃上げ達成時の上限です。補助額は税抜の補助対象経費で算定します。カタログ注文型は、補助額が25万円未満となる申請はできません(賃貸借契約での導入を除く)。
製造業は「常勤従業員20人以下」で一般型の補助率が上がる
一般型の補助率は中小企業が1/2(最低賃金引上げ特例の適用時は2/3)で、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者は2/3です。製造業の小規模企業者・小規模事業者は常勤従業員20人以下で判定するため、従業員20人以下の食品工場は一般型で補助率2/3の対象になります(採択後、交付決定まで、または補助事業実施期間中に20人を超えると1/2に変わります)。ただし、パン・菓子の製造小売のように業種が小売業になる場合は「5人以下」で判定します(業種の区分)。
カタログ注文型の補助率は1/2以下で、従業員規模や事業者区分による引上げはありません。計算の考え方と賃上げ特例の条件は補助額・補助率の解説に、一般型の概算はシミュレーターにまとめています。
食品機械の価格の目安と、上限との関係
| カテゴリ | 価格と導入費用の目安(公式) |
|---|---|
| 食品スライサ・カッタ | 食肉スライサ100万〜3,000万円程度、野菜・魚類スライサ145万〜1,500万円程度 |
| パン等発酵生地の分割・まるめ機 | 290万〜2,100万円程度(タイプにより異なる) |
| 食料品加熱撹拌機 | 350万〜2,000万円(容量により異なる) |
| 急速冷却/急速凍結機 | 100万円〜(収納量や自動洗浄機能の有無などにより異なる) |
| パレタイズロボット | 約400万〜3,000万円程度 |
| 組立函自動製函機 | 1,600万〜3,500万円(サイズ・材質・機能などにより異なる) |
出典:中小企業基盤整備機構「製品カテゴリ」(令和8年10月8日版)の「価格と導入費用(目安)」。個々の製品の価格・補助上限額は公式の製品カタログと販売事業者の見積でご確認ください。
大型の食品機械は、1台でカタログ注文型の上限に届くことがあります。複数の機械をまとめて入れる計画や、数千万円規模のライン投資は、上限額の大きい一般型と比べてから類型を決めるのが現実的です。
カタログ注文型と一般型、食品工場にはどちらが向く?
Aカタログ注文型が合うケース
スライサ、包あん機、急速冷却機など、登録製品をそのまま1〜2台導入したい。今の工程の一部だけを置き換えたい。一般型の公募を待たずに進めたい。
B一般型が合うケース
下処理から加熱・充填・包装までを搬送装置でつなぎたい。計量・箱詰めなど、カタログに食品向けの登録製品が無い工程を自動化したい。製品や容器に合わせた専用機にしたい。投資額がカタログの上限を超える。一般型は公募回ごとの締切制です(第8回の締切:2026年10月16日(金)17:00。日程は公募スケジュール)。
公式FAQでは、カタログに載っている製品は原則カタログ注文型で申請するとしつつ、周辺機器や機器の数・機能を導入環境に合わせて変える場合や、汎用設備を組み合わせてより高い効果を出す場合は一般型の対象になるとしています。一般型の第8回公募要領でも、カタログに登録されたカテゴリに当たる製品を一般型で導入する場合は審査の際に考慮するとされています。
一般型は、単価50万円(税抜)以上の機械装置等を1つ以上含むことが必須で、汎用設備を単体で導入するだけの計画は対象外です。ロボットやセンサーを組み合わせてラインを組む場合は、外部のシステムインテグレータ(SIer)との連携が想定されています。
一般型の公募要領は、申請を考える前にカタログ注文型の製品カタログを確認するよう求めており、カタログ注文型のほうが申請が迅速かつ簡易だとしています。急速冷却機の単体導入のようにカタログで完結する投資はカタログ注文型、工程をつなぐ設備やカタログの上限を超える投資は一般型、の順に検討します。一般型を選ぶ場合、加点項目には応募締切日までの手続きで満たせるものもあります。
自社は「製造業」?業種の区分で変わること
公式の業種の定義(日本標準産業分類 令和5年7月告示に準拠)で確認
公式の業種の定義では、惣菜・弁当、パン・菓子、水産加工品、食肉加工品、調味料、めん類、豆腐などの製造は製造業(食料品製造業)、清涼飲料・酒類・茶・コーヒーの製造は製造業(飲料・たばこ・飼料製造業)です。一方、作った商品をその店で売るパン・菓子の製造小売や惣菜店は小売業に分類されています。
| 事業の例 | 業種(公式の定義) | 中小企業者・小規模の基準 |
|---|---|---|
| 工場で惣菜・弁当・パン・菓子・水産加工品・食肉加工品などを製造 | 製造業(食料品製造業) | 資本金3億円以下 または 常勤従業員300人以下/小規模は20人以下 |
| 清涼飲料・酒類・茶・コーヒーを製造 | 製造業(飲料・たばこ・飼料製造業) | 資本金3億円以下 または 常勤従業員300人以下/小規模は20人以下 |
| 店で焼いたパン・菓子をその店で売る、惣菜を店で作って売る | 小売業(菓子・パン小売業、料理品小売業) | 資本金5,000万円以下 または 常勤従業員50人以下/小規模は5人以下 |
| 施設給食、仕出し・宅配弁当、持ち帰り弁当 | 飲食サービス業(持ち帰り・配達飲食サービス業) | 資本金5,000万円以下 または 常勤従業員50人以下/小規模は5人以下 |
「小規模」は一般型の小規模企業者・小規模事業者の基準で、該当すると一般型の補助率が2/3になります。申請では主たる事業の業種を入力します(カタログ注文型の手引きでは、売上高・付加価値額・従業員数などの経営指標が最も多くの割合を占める事業を主たる業種としています)。みなし大企業など規模以外の要件は対象者の要件をご覧ください。
中小企業者に当たるかの判定では、飲食店と持ち帰り・配達飲食サービス業は小売業の基準を使います。カタログ注文型の製品の対象業種としては「飲食サービス業」です。施設給食業の扱いは事務局への確認をおすすめします。
カタログ注文型は、製品ごとの「対象業種」も合わせる
カタログ注文型には、導入する製品に設定された対象業種のうち1つ以上が、自社の営む事業の業種と合っていることという要件があります。SECTION 01の食品機械の多くは製造業と小売業の両方を対象業種に含みますが、パレタイズロボット(製造業・倉庫業・卸売業)、窒素ガス精製ユニット・自動分析計測機器(製造業のみ)のように、小売業が入っていないカテゴリもあります。
公式FAQでは、主たる業種が別でも、対象業種の事業を一部でも営んでいれば申請できるとされています。製造小売の店舗とは別に、卸向けの製造も行っている場合などは、その事業の業種で申請できることがあります。ただし実績報告時などに事業の実態が確認できないと交付決定の取消になる場合があり、カタログ注文型では新規事業は対象になりません。
人数の数え方と、組合・300人超の扱い
従業員数は、補助上限額の区分にも小規模事業者の判定にも使われます。数えるのは常勤従業員(労働基準法第20条の解雇予告を必要とする者)で、日々雇い入れる人、2か月以内の期間を定めて雇う人、季節的業務で4か月以内の期間を定めて雇う人、試用期間中の人は含まれません。繁忙期だけの短期雇用が多い工場は、雇用契約の内容で数え直してから区分を確認してください。
水産加工業協同組合や事業協同組合、酒造組合(構成員の要件あり)なども申請対象に含まれます。また一般型では、常勤従業員が300人を超えても、製造業で500人以下かつ資本金10億円未満であれば「特定事業者の一部」として対象になります。カタログ注文型の公募要領には、この区分はありません。
食品工場の申請で見落としやすい点:入れ替えと工事費
① 今ある機械の入れ替え
一般型FAQでは、すでに導入している設備のリニューアルや改良の費用は対象外です。カタログ注文型では、カテゴリごとの「置き換えが可能となる機能・性能」を新しい機種が1つ以上新たに備える場合に限り、置き換えとして申請できます(例:食品スライサ・カッタの「定量カット機能」、急速冷却/急速凍結機の「自動洗浄機能」。公式:製品の置き換えについて)。
② 建物・基礎工事は対象外
一般型では、土地・建物などの不動産の取得費用や、設置場所の整備工事・基礎工事の費用は補助対象外です。ラインの導入に合わせた工場の改装費は、補助の対象になる機械装置の費用と分けて資金計画を立ててください。
汎用品(パソコン・タブレット等)、中古品、交付決定前に発注・契約・支払いをした費用は対象外です。経費の全体像は補助対象経費、一般型の賃上げの基本要件(1人当たり給与支給総額 年平均3.5%以上など)は一般型の申請要件(よくある質問)をご覧ください。
よくある質問
新しい工場の建設に合わせて設備を導入できますか?
メーカーから見積もりを取った食品機械が、カタログ登録製品かどうかはどう確認しますか?
工場が複数あります。どの工場を実施場所にすればよいですか?
他省庁の補助金と併用できますか?
一般型の締切に間に合わない場合はどうすればよいですか?
食品工場の省力化、どの工程から手を付ける?
下処理・加熱・充填・包装・箱詰め・出荷など、人手のかかっている工程をお聞かせください。対象になりうる設備、補助額の目安、類型の選び方をご案内します。採択を保証するものではありませんが、見通しを一緒に整理します。
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